身体症状の裏に隠れる病魔を見逃すな【うつ病診断で病気が明確に】

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再発率の高い精神疾患

お医者さん

細かくなる精神疾患

うつ病はストレスがきっかけとなり、脳神経の情報を伝達する物質の量が減るなどの脳の機能の異常が起こったり、その人が元々持っているうつ病になりやすい性格が作用するなどの様々な要因が重なって発症すると考えられる精神疾患です。ストレスの要因は人それぞれで、身近な人の死やリストラ、職場での長時間残業などの悲しい出来事や心身への過剰な負担が要因になるケースだけでなく、職場での昇進やプライベートでの結婚、子供の誕生などの慶事であってもそのことが喜び以上に強い責任感や義務感を生じさせ、それがストレスの要因となってしまうケースもあります。ですので、何がうつ病の原因となるかは一概には言えないのです。うつ病の症状は気分が落ち込む、集中力が低下する、落ち着きをなくすなどといった精神症状が知られていますが、精神症状以外にも不眠や頭痛、疲労感や倦怠感などの身体症状もあります。そして以前であれば同じような症状の精神疾患は一概にうつ病と診断される傾向がありましたが、昨今ではストレスの要因が特定されていて、その要因が生じてから1か月以内に症状が発症した場合は適応障害と診断され、そのストレスの要因を取り除いて半年以内に症状が改善されるとそのまま適応障害が治癒したこととなる一方で、半年以上経過しても症状が改善されない場合に診断がうつ病に変わるなど、精神疾患の診断に関する分類が細かくなる傾向にあります。このように診断が細かく分類されるようになったのは精神疾患に対する研究が進み、知見が増えてきていることが理由ですので、今後も精神疾患に関する診断はより細かく分類されるようになっていくことが見込まれています。

能動的関与が大切

うつ病と診断された場合の治療は十分な休養を取り、出来る限りストレスの要因を取り除き、そして抗うつ剤の投与によって神経伝達物質の異常を改善するといった方法を組み合わせることになります。ストレスの要因を取り除くためには、例えばストレスの要因が職場の仕事量の多さなど、物理的に取り除けるものであれば、十分に休暇を取得して心身を休ませた上で、職場に復帰する際に仕事量の少ない部署に異動するといった方法があります。しかしストレスの要因が身近な人の死のように取り除く余地のないものである場合は、支持的精神療法や認知行動療法のようなカウンセリングによる精神療法を用います。また、抗うつ剤の投与に関しては、精神科や心療内科の診察は医療面接の形で患者や、場合によってはその家族からも話を聞くことで診断を行います。ですので、患者にとってどのような抗うつ剤をどの程度の量や頻度で服用をすれば効果が高いかは特に初診の際は精神科や心療内科の医師でも手探りの状態です。従って初診の際に処方される抗うつ剤はテスト的な意味合いもあります。次の診察の際に処方された抗うつ剤によってどのような効果があったのかをできる限り詳しく正確に医師に伝えることで、医師もその患者により適した抗うつ剤の処方が可能になるのです。このように、うつ病の治療に際してはカウンセリングに関しても、抗うつ剤の処方に関しても患者の能動的な関与が治療の効果を高める上ではとても重要な要素となります。また、うつ病は再発性の高い疾患ですので、一旦症状が改善しても1年以上の継続的な抗うつ剤の服用や経過観察が必要です。